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2009年6月13日(土)~28日(日) ラミュゼdeケヤキ am11:00~pm7:00 / 休日=月・火曜日 オープニングパーティ:6月13日(土)pm5:00~ 関連企画 ★奇想天外!ライブペインティング―スズキコージ氏とともに 6月20日(土)pm1:00~ ★対談「絵と言葉の間にそよぐ風」 青野聰 vs. 黒須昇/司会:大竹昭子 6月21日(日)pm3:00~ ★シャンソンのミニライブ 出演:聖児ロマノフ ギター伴奏付き 6月28日(日)pm2:00~、pm4:00~ ひとこと 黒須昇 1978年6月17日。その前夜、当時、大磯に暮らしていた平賀敬さんの風雅な古家で送別会をしてもらい、横浜港からシベリア経由でパリに向かったのでした。人生とはわからない僕のゼロからの出発なのですが、昨日のことのようにしか思えません。 31年前のその記念日を中心に、アクリル水彩と鉛筆画の二種の紙作品(65×50cm)約30点で個展を提案してくれた潮田敦子さん、僕が鎌倉に住んでいた頃から親しくつきあってくれている岸田衿子さん、青野聰さん、スズキコージ氏、大竹昭子さん、また立教大学のサパンヌ美術クラブOBの渡辺隆、高橋武、松崎剛之の三氏から温かい手をさしのべてもらって、旧友に感謝するとともに、絵を発表するだけでない催しも企画でき、今から楽しみです。 庭に驚くほど大きな欅の立つ同じ家で、6年前の枝垂桜の咲く頃、初めての手作りで油絵近作展をしました。その時は、平和なゲリラ戦、みんなを幸せにするテロリズム、という気軽なイミだけだったのですが、二回もすることになって、フクザツな心境もあるのですが、これもなにかのサダメかと思うことにしましょう。はたちを満三回やって、四回目を始めたばかりの画家の。 ピクニックに出掛けるつもりで、うきうき何度も来てくれると嬉しいです。久しぶりの帰国が、再び新たな船出となることを願って。 ――またやって来た春のパリにて [黒須昇 略歴] 1948年、福島県白河市に生まれる。1972年、立教大学文学部卒業。1978年、パリに居住。アントワーヌ・ド・ガルベール画廊、コンピェーニュ文化センター、モスティーニ画廊、ダニエル・デショーズ画廊などで個展。コレクティブでは、サロン・ド・メ、第一回大阪トリエンナーレ、デクベルテ、カーニュ・シュール・メールの国際絵画祭展、ラ・メゾン・ルージュなど。オスタンドのヨーロッパ絵画賞展で金メダル、12人の日本人画家展でヴァル・ド・オワーズ県2席賞、「11月のヴィトリー展」で絵画大賞など受賞。 「M.クロスの人と個展のこと」 岸田衿子 クロスさんは、モンマルトルの主の息子ぐらいの資格があります。だって、いつ訪ねても、あの長い長い階段さえ登っていけば、そこのアトリエと住居に腰を下ろして動かずに、「オッホッホッホッホウ」と楽しそうな笑い声をたてて私たちを迎えてくれるのですから。 そして、そろそろフランスやヨーロッパのいろんな食事にも飽きてきた頃、クロスさんの炊いてくれるほかほかのご飯と創ってくれるお刺身やお魚料理にありつける私たちは、とても幸せな気分になれるのです。こんな思いをした人は何人いるかしれません。うっかりクロスさんを紹介してしまった人は、私だけでも数十人はいると思います。 自分たちが行きたい所、クロスさんが案内してくれた土地も数えきれませんが、パリから日帰りで行ける郊外電車に乗って子ども連れでよく出かけました。ソー線の終点に近い、ちょっとした山で拾った栗がおいしかったこと。だいたいヨーロッパの焼栗はおいしいけれど、ここは特別おいしかったですね。浅間山麓の山小屋の周りの山栗もおいしいけれど、粒が小さいのです。クロスさんは子どもが好きで、下の娘など2歳ぐらいから遊んでもらっています。子どもたちもみんなおとなになって、30数年(?)クロスさんもその間に思い出したように日本で個展をやっています。 パリであんなにお客さんが多いから、いつ絵が描けるのだろうと心配していると、いつのまにか隣のアトリエで描いているのですね。大きい絵やら小さい絵、中ぐらいの絵や、紙の上や素材がいろいろ違っても、クロスの絵とひと目でわかる手法で、そして内容です。画面にたいてい静かな面ざしの仏さまだか人だか(たぶんクロスさんの夢の理想の人かもしれない人)が描かれていて、背景にいろんな物象が浮かび、飛んでいて面白いのです。それらをつないでみても特に深い意味があるかどうか、また説明ができるかどうかわかりません。それは見る人たちの自由ですから。そこにクロスさんの絵の前に佇む楽しさがあると言えると思います。クロスさんの個展に出かけた人たちは、みんな彼の笑顔に出会って、楽しく絵の前を行ったり来たりするでしょう。そんな場所に何よりふさわしい美しいお庭に囲まれた潮田さんの住宅の一角を提供して頂いて、クロスさんも友人の私たちも皆幸せです。 「シアワセの因数分解」 潮田あつこバルー 数学者が日課として娯楽で数式を解くように、クロスさんは実に楽しそうに、お気に入りのエレメントを組み合わせて絵を組み立てているように見えます。おなじみの横顔、大仏の手、小人、マチエールの塊、そして、透明感のある色や濁った色、画面の切り方・・・その登場人物のメンバーたちに聞いてみました。 私「えへん、私はギャラリーというか、今回皆さんを受け入れる家の者です。ちょっと質問していい?」 (一同こちらを見る) 私「いつも同じメンバーみたいですね」 彼ら「うん、でも工夫すると無限の組み合わせができるんだよ」 私「ふうん、でもさ、作品として何が言いたいの?」 彼ら「そんな野暮ったいこといわないでよ。組み体操やっている最中なんだから。 私「でも、ほらメッセージとか」 彼ら(こちょこちょ相談して)「じゃあ、いうけど、幸せだなー楽しいなー。かな」 私「それだけ?」 彼ら「他に何が必要なの?」 私たちが生まれてきて短い一生の中で、ほんとに大切な時間って、少ししかないのかも、それは幸せ!って思える瞬間じゃないでしょうか。クロスさんの絵はそんな瞬きほどの至福の時間を思い出させてくれる。それで壁から私達に向かって言うのです、今、しあわせかい?僕はサイコーにしあわせだよ。って 住宅にアートを取り入れたい、と始めたのが8年前、ギャラリーではない空間で、ゆっくりクロスさんのユニークな絵画世界にひたりませんか?
by lamusee_de_keyaki
| 2009-06-13 01:20
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